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契約後に値上げされたら、どうなりますか

2026.08.17 確認 ・ SaaS COMPASS

掲載6サービスのうち、Squarespace を除く5社の規約を条文単位で確認しました。契約期間の途中に値上げされない仕組みを持つのは HubSpot と Semrush の2社です。HubSpot は「現契約期間中は増額しない」と書き(3.1・例外4つ)、Semrush は料金改定の効力発生日を更新初日に縛って同じ結果を出しています(5.3)。値上げに同意しない場合に解約できると明記しているのは HubSpot 1社だけです(3.2)。ただしその HubSpot も、期間の途中で解約して前払い分を取り戻すことはできません(4.1)。

5社の条文を1枚に

製品(適用文書)値上げの事前通知契約期間中の固定更新を止める期限と操作満了日を確認する場所値上げを理由とする解約権この行の読み方
HubSpot(Customer Terms of Service)更新の30日前(3.2)あり・3.1/例外4つ(上限超過・アップグレード・アドオン購入・注文書の別段の合意)現契約期間の終了までに自動更新をオフ。日数の指定なし(4.2)アカウントの Account & Billingあり・明文(3.2)守られるのは単価だけ。上限超過とアップグレードは期間中でも増える
monday.com(Terms of Service)「通知のうえ」とのみ。日数の記載を確認できず(8.3)明文なし/8.9 は「別途通知しない限り同一価格」年間契約は満了の30日前まで。アカウント設定から解約、またはカスタマーサクセスへ連絡(8.9)管理画面の請求(Billing)画面確認できず通知が来なければ据え置き。ただし通知日数が決まっていないため、締切に間に合う保証がない
Asana/Subscriber Terms(注文書に記載の顧客に適用)日数の記載を確認できず明文なし/更新は「その時点の料金」(4.4)更新日の30日前まで。相手方への通知が必要・双方向(4.4)注文書に開始日と期間の記載確認できず注文書があるならこちら。管理画面では完結せず、人への通知が要る
Asana/Subscriber Agreement(適用範囲を公式で確認できず)20日前(4.2)明文なし管理画面のアカウント設定から随時解約。日数の指定なし(4.4)管理画面の請求(Billing)画面確認できず20日前通知はこの文書にしかない。自分に適用されるかは公式から判別できない
Shopify(Terms of Service)料金変更の30日前・メールまたは管理コンソール(15.2)明文なし/「更新時に限る」の記載なし(15.2)いつでも解約。サポートへ連絡(14.2)。返金なし(5.10)管理画面の設定>プラン確認できず期間中でも30日前の通知だけで変更できる建て付け
Semrush(Terms of Service)日数の記載を確認できず(5.3)実質あり/改定は更新初日から(5.3)現契約期間の最終日より前。所定のフォームから更新拒否(7.2)プロフィールのサブスクリプション画面規約の重要変更については あり(11.7)。料金についての明文は確認できず期間中は動かないが、値上げを何日前に知れるかは書かれていない

※ 横にスクロールすると全項目を確認できます

凡例:自動更新=解約を申し出ない限り契約が同じ期間だけ自動で続く仕組み。SaaSはほぼ全社が既定にしています。注文書=営業担当と金額や席数を決めて取り交わす書面。自分でカード決済して申し込んだ場合には存在せず、申込時のメールに PDF が添付されていたかで判別できます。

出典:各社の公式規約(2026年8月確認。文書名・最終更新日は末尾の出典節)。日数は暦日、金額の記載なし。左3列は「値上げされるか」、右3列は「逃げられるか」で、この2つは別の問題

期間中の値上げを止める条文はどこですか

HubSpot 3.1 が守るのは単価だけで、上限を超えれば期間中でも請求は増えます。Semrush 5.3 が縛るのは効力発生日(更新初日)だけです。Shopify は逆で、15.2 は変更を更新時に限定せず、最後にこう書いています。

Shopify は、サービスの変更、価格変更、停止、提供終了について、お客様または第三者に対して責任を負いません(原文:Shopify will not be liable to you or to any third party for any modification, price change, suspension or discontinuance of the Services (or any part thereof).)

30日前の通知義務はありますが、値上げに異議を申し立てる根拠は規約にありません。年払いの途中で値上げされた場合の前払い分の扱いは、規約にもヘルプにも記載を確認できませんでした。返金しないのは Shopify だけではなく、確認した4社が同じです(HubSpot 4.1/monday.com 8.3・8.9/Shopify 5.10)。

monday.com は 8.3 が通知の日数を定めていないため、値上げ通知が満了の29日前に届けば解約通知の締切(30日前)は過ぎており、扱いは条文から読み取れません。

Asana の法務ページには契約文書が2本あります。Subscriber Terms は「注文書に顧客として記載された当事者との契約」と定め、2026年8月10日以降に発効する新規の注文書とその更新に適用されると書いています。もう1本の Subscriber Agreement には、オンライン購入者に適用されるという記述を確認できず、asana.com/terms の文書一覧にも掲載がありません。20日前通知(4.2)はこの Subscriber Agreement の条文ですが、自分の契約に適用されるかは公式ページから判別できません。申込前に「当社に適用される契約文書はどちらですか」と書面で問い合わせてください。

値上げを理由に解約できると書いてあるのは1社

HubSpot 3.2 は、更新時に定価まで増額でき、更新の30日前に通知すると定めたうえで、こう続きます。

この増額に同意されない場合、お客様は、下記「更新拒否の通知」の条項に定める通知を行うことにより、現契約期間の終了時にサブスクリプションを終了することを選択できます。Commerce Hub その他のサブスクリプションサービスで利用できる機能については、料金改定の通知要件が異なるため、製品固有条件(Product Specific Terms)を確認してください(原文:If you do not agree to this increase, you can choose to terminate your subscription at the end of your Current Term by giving the notice required in the "Notice of Non-Renewal" section below. Please review the Product Specific Terms for information on features available in Commerce Hub and other Subscription Services that have different fee adjustment notice requirements.)

この最後の1文があるため、30日前通知と解約権が自分の製品に及ぶとは限りません。製品別の日数は未確認なので、契約前に Product Specific Terms を開いてください。

Semrush 11.7 は全文が大文字です。

改定後の規約は、当社が更新後の文言をウェブサイトに掲示した直後に効力を生じます。ただし、重要な変更は掲示から30日後に効力を生じます(原文:THE REVISED TERMS AND CONDITIONS WILL BECOME EFFECTIVE IMMEDIATELY AFTER WE POST THE UPDATED TEXT ON THE WEBSITE, PROVIDED THAT MATERIAL CHANGES WILL TAKE EFFECT THIRTY (30) DAYS AFTER WE POST THEM.)

11.7 はこのあと、当該日以降の利用は改定への承諾となること、重要な変更に同意しない場合は通知期間中に違約金なく終了できることを定めます。30日の猶予は「重要な変更」だけで、それ以外は掲示日に効力を生じます。料金改定がこれに当たるかも、その定義も確認できませんでした。

締切を1日逃すと、次の1年が確定します

確定するのは差額ではなく、次の1年の総額です。Asana Advanced を10席・年払で使う場合、$24.99×10席×12か月=$2,998.80(年額・税別・米ドル)が丸ごと固定されます。10%の値上げを避けそこねた損は $2,998.80×0.1=$299.88 ですが、失うのは $2,998.80 の使い道を選び直す機会のほうです。請求額は契約書で確認してください。

Q1: 通知は現契約期間の途中に効力を生じる内容ですか
はいQ2へ
いいえ(次回更新から)Q3へ
Q2: 契約期間中の価格が動かない条文を持っていますか(HubSpot 3.1/Semrush 5.3)
はい条項番号を引いて適用対象か照会する(HubSpotは上限超過・アップグレードが例外)
いいえ固定の明文がないため、通知の効力発生日と前払い分の扱いを書面で確認する
Q3: 更新を止める締切日は過ぎていますか
過ぎている次の1年は確定。次回の締切登録に切り替える
まだ更新拒否の通知・操作を先に完了させ、そのうえで交渉する

月払いへの切替も選択肢。Shopify は年払いから月払いへの変更に年間サイクル終了前のサポート連絡が必要(公式ヘルプ)、他社は管理画面で切り替えられるかを更新前に確認 各社の公式規約(HubSpot 3.1/3.2/4.2、monday.com 8.3/8.9、Asana 4.4、Shopify 15.2、Semrush 5.3/7.2/11.7)2026年8月確認。日数は暦日

で、自分はどうすればいいですか

月払いで契約できて、止めたときに困る業務データが入っていないなら、ここまでの確認は要りません。 値上げ通知が来た月の末に止めれば、失うのは1か月分です。

年間契約を検討していて、期間中の単価を条文で守ってほしいなら HubSpot です。 3.1 が守るのは「現契約期間」なので、期間を長く取るほど単価の固定期間が伸びます。ただし上限超過とアップグレードは期間中でも増え(3.1(i)(ii))、4.1 により途中解約と返金もできません。

すでに年間契約を持っていて、次の更新が心配なら、いま開くのは料金ページではなくカレンダーです。 上表の場所で満了日を確認し、3つ登録してください。①満了日の45日前:社内の決裁と交渉を始める日。②満了日の30日前:monday.com(8.9)と Asana の注文書契約(Subscriber Terms 4.4)の解約通知の締切。1日過ぎれば次の1年が確定します。③満了日の前日:Semrush の更新拒否フォームの締切(7.2)。HubSpot と Asana の Subscriber Agreement は日数の指定がなく満了日までですが、①で自動更新をオフにするほうが安全です。締切前なら戻せます。

迷ったら、初年度は月払いで契約してください。 年払いの割引は、1年分の「降りる自由」を売った対価です。2年目に利用状況を見てから年払いへ寄せれば、HubSpot 3.1 のような固定条項が効きます。

この記事の対象サービスが向かない読者

値上げリスクを最小にしたい読者に、Shopify の年払いは向きません。15.2 は変更を更新時に限定せず、30日前の通知だけで期間中でも変更でき、5.10 は返金しないと書いています。Squarespace は今回条文を確認していないため、判断材料に入れていません。

出典(すべて2026年8月確認)

条項番号と各文書の最終更新日は確認時点のものです。各社とも規約を改定するため、契約前にご自身で最新版の該当条項を開いて確認してください。この記事は法的助言ではありません。条文の読み方や自社への当てはめは、必要に応じて弁護士に確認してください。

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