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そのSaaS、何か月で元が取れますか

2026.08.17 確認 ・ SaaS COMPASS

結論から書きます。費用は3年・8行の表で、効果は「削減時間×人件費単価」と「増収×粗利率」の2本で出します。割り算で出る回収期間が6か月以内なら契約してよく、12か月を超えるなら費用側を組み直し、24か月を超えるならその計算では買えません。回収期間とは、払ったお金を、そのSaaSが生む金額(減った作業時間の人件費+増えた粗利)で取り戻すまでの月数です。

計算の前に、無料版で足りませんか

HubSpot には期限のない無料版があり、monday.com と Asana にもあります(3社の上限の比較はこちら)。公式ページに「You can add up to 2 users to your free account.(日本語訳:無料アカウントには2ユーザーまで追加できます)」「You can add 1,000 contacts, and your free access has no time limit.(日本語訳:連絡先を1,000件まで追加でき、無料利用に期限はありません)」とあります。操作する人が2人以下で配信対象が1,000件以下なら、以下の計算は要りません。 席は使う人の分だけ買うので、5人でも2席なら費用は5分の2です。無料版の連絡先1,000件と、有料 Marketing Hub のマーケティングコンタクト1,000件は別の枠です。

なぜ3年で切りますか

1年だと一度きりの費用が重すぎます。HubSpot Marketing Hub Professional(日本語ページ・年間契約)は月¥96,000に導入支援¥360,000が必須で、初年度¥1,512,000(=¥96,000×12+¥360,000)の24%が初年度限りです(月次契約なら月¥106,800)。5年だと、2年目以降の値上げ幅が掲載6社とも公式に載っていません。

費用は3年・8行で出します

記入例は日本語ページの HubSpot Marketing Hub Starter(円建て)で、米国ページの Starter Customer Platform($7/$20)とは別体系です。

#費目自社の計算式と、数字の読み方記入例(HubSpot Marketing Hub Starter・日本語ページ・5席・配信対象1,500件・年間契約・税別・1ドル150円)3年合計
1月額×席数1席の月額 ___ × 席数 ___ × 36¥840 × 5席 × 36。¥840は年払いのときの価格で、「新規のお客さま限定です。一部のオファーは期間限定でご利用いただけます」と条件つき¥151,200
2最低席数・刻みによる無駄(買わされる席数 ___ − 使う人数 ___) × 1席の月額 ___ × 36。席は1席単位で買えないことがあるHubSpot Starter の席の最低数と購入単位は公式に記載を確認できず、1席単位で買える前提。monday.com Work Management(CRM製品とは別料金)は「Our pricing plans start at a minimum of 3 seats, and then ascend in multiples of 5.(日本語訳:料金プランは最低3席から始まり、以降は5の倍数で上がります)」「If you have a team of 6, you will need to select the 10-seat plan.(日本語訳:6人のチームなら10席プランを選ぶ必要があります)」。ただし別のサポート記事は「3, 5, 10, 15, 20, 30 seats etc.(日本語訳:3, 5, 10, 15, 20, 30席など)」と例示しており、20席を超える刻み(25席を選べるか)は公式に記載を確認できません。そこで両方の記載に共通する10席だけで試算すると、6人が Standard(Work Management・年払$12/席・月)を使う場合、使わない4席に3年で $12×4×36 = $1,728、契約時の前払いも6席でなく10席分の $12×10×12 = $1,440。席を減らしても反映は次回更新日。Asana は最小2席、次が3・4・5席、以降は30人までは5席刻み¥0
3初期費用・必須オンボーディング一時費用 ___ × 1回Starter に必須の導入支援費用の記載は確認できず(Professional は¥360,000と明記)¥0
4超過課金(連絡先・レコード)超過ブロック数 ___ × ブロック単価 ___ × 36。数えるのは連絡先の総数ではなく配信対象の件数課金対象は有料 Marketing Hub の「マーケティングコンタクト」だけで、公式カタログに「all your non-marketing contacts are free, up to a limit of 15 million overall contacts(日本語訳:マーケティング対象外の連絡先は、全体で1,500万件までは無料です)」。(1,500 − 込み1,000) → 1,000件単位で1ブロック × 月$50 × 36 = $1,800。円建て価格は確認できず150円で換算¥270,000
5超過課金(追加ユーザー・アドオン)追加人数 ___ × 単価 ___ × 36席単価に含まれるため1番に計上済み¥0
6決済・取引手数料(月商 ___ × 率 ___ + 件数 ___ × 固定額 ___) × 36該当なし(ECを扱わない前提)¥0
A3年の費用合計1+2+3+4+5+6151,200 + 270,000¥421,200
7年払いの前払い(Aの内数・足さない)1年分の年額 ___ × 1回。いつ出ていくかの行¥840 × 5席 × 12¥50,400
8為替(Aの換算・足さない)A(外貨)× 想定レート ___ 円。いくらになるかの行$1,800 × 140円=¥252,000/×160円=¥288,000A は ¥403,200〜¥439,200
B円での3年総額円建て契約なら円価格でA、外貨建てなら8の結果席は円建て固定、超過分のみ為替で変動¥403,200〜¥439,200

出典(2026年8月確認):hubspot.jp 料金ページ(Marketing Hub Starter 年払¥840・月払¥2,400/シート・月、Professional 年払月¥96,000・月払月¥106,800+導入支援¥360,000)、HubSpot 製品・サービスカタログ(1,000件込み、1,001〜3,000件は1,000件ごと月$50)、monday.com 公式ヘルプ2本(最低3席・5の倍数/3, 5, 10, 15, 20, 30席など)、monday.com 料金(Work Management Standard 年払$12/席・月)、Asana 公式ヘルプ(最小2席・5席刻み)。為替140/150/160円は仮定値です。

7番と8番はAに足しません(足すと二重計上です)。契約時に出ていく現金は¥50,400(¥840×5席×12。円建て・税別)、初年度は ¥50,400+$50×12か月×150円 = ¥140,400 です。 A÷36の月¥11,700は考え方の数字で、請求はこの形では来ません。

一番大きい行は1番ではなく4番で、3年¥270,000、全体の64%(¥270,000÷¥421,200)です。席の人数より、配信対象の件数が金額を動かします。日本語ページに載るのは年払¥840/シート・月と月払¥2,400/シート・月の2つで、この¥840が期間限定の割引後の価格なのか通常価格なのかは、ページ上で区別されていません。割引の適用期間と、更新後も¥840が続くかは記載を確認できませんでした。

買うべきでない読者像を先に書きます。2人以下で配信対象が1,000件以下なら無料版で足ります。3,000件を超える見込みなら、超過課金が席の料金を追い抜くので上位プランと並べてください。メール配信をしない会社は4番が発生せず、この記入例は参考になりません。

効果は2本しか数えません

項目計算式と、数字の読み方自社の数字記入例(月あたり・すべて仮定値)
① 削減される工数減る時間(人数×時間/月)。使う本人が申告した数字だけを入れる___ 時間10時間
① 人件費単価(年収 + 会社負担分) ÷ 年間労働時間。給与だけでなく、社会保険料の会社負担分まで含めた1時間あたりの人件費___ 円/時¥3,067(480万円×1.15 ÷ 1,800時間)
① 小計時間 × 単価¥30,670
② 増える売上月あたりの増加額___ 円¥100,000
② 粗利率売上から仕入れや外注費を引いた残りが、売上の何%か___ %60%
② 小計売上 × 粗利率¥60,000
入れない項目「満足度が上がる」「情報が一元化される」など、金額に換算する式がないもの。換算式のないまま金額にすると、結論を先に決めて逆算した数字になります行を作りません
効果合計① + ②¥90,670/月

出典:効果側に公式の数字はありません。記入例はすべて自社で置く仮定値で、ベンダーの導入事例の数値ではありません。

回収期間は、割り算1回で出ます

回収期間(か月)= 導入コスト ÷(月あたりの効果 − 月あたりのSaaS費用)。記入例で契約時に出るのは、前払い ¥840×5席×12 = ¥50,400 と、初期設定・データ移行・操作を覚える自社工数 40時間×¥3,067 = ¥122,680、合計¥173,080。席の1年分はここで払い終えるので、毎月出るのは超過課金 $50×150円 = ¥7,500 だけです。

¥173,080 ÷(¥90,670 − ¥7,500)= ¥173,080 ÷ ¥83,170 = 2.08か月。前払いを分子に置くなら、分母から席の分を外します。両方に入れると席の料金を2回数え、回収期間が実際より長く出ます。月払い¥2,400なら前払いはなく、導入コストは¥122,680、毎月は ¥2,400×5席+¥7,500 = ¥19,500 です。

¥122,680 ÷(¥90,670 − ¥19,500)= ¥122,680 ÷ ¥71,170 = 1.72か月。年払と月払のどちらで買っても2か月前後で、支払い方法で結論は変わりません。

増収ゼロで置いたときの回収期間(HubSpot Marketing Hub Starter・日本語ページ・5席・年間契約・税別・1ドル150円)

回収期間(か月・対数目盛)25102050100200051015201か月に削減できる時間(時間)月2.45時間で分母がゼロ(これ以下は回収不能)6か月(契約してよい線)11.9101.822.110.25.93.2回収期間

前提=初期支出¥173,080(前払¥50,400+自社工数40時間×¥3,067)、毎月の支出¥7,500(超過課金$50)、人件費単価¥3,067/時、増収ゼロ。月2.45時間(¥7,500÷¥3,067)以下だと分母がマイナスになり、何か月経っても回収できません。自社に置き換えるときは、40時間を「触る人数×1人あたりの時間」で見積もり、立ち上がりの3か月は効果を半分(月¥45,335)に置いても線を越えるかを確認してください。y軸は対数目盛です。出典(2026年8月確認):hubspot.jp 料金ページ(Marketing Hub Starter 年払¥840/シート・月)、HubSpot 製品・サービスカタログ(1,001〜3,000件は1,000件ごと月$50)。効果側の数字と為替レートは仮定値です

何か月以内なら妥当ですか

Q1: 法令対応・セキュリティ要件・取引先からの指定・止まると売上が消える業務のどれかに当てはまりますか
はい費用対効果では決めません。費用側だけを複数案で並べ、要件を満たすうちで最も安い構成を選ぶ
いいえQ2へ
Q2: 月あたりの効果が、月あたりのSaaS費用を上回っていますか
いいえ買わない。分母がマイナスで、回収期間は計算できません
はいQ3へ
Q3: 回収期間は6か月以内ですか
はい契約してよい。年払いでも初回更新の前に回収が終わります
いいえQ4へ
Q4: 回収期間は12か月以内ですか
はい契約するが月払いで始める。回収の前に更新判断が来ます
いいえQ5へ
Q5: 回収期間は24か月以内ですか
はい費用側を組み直して再計算。それでも24か月なら見送り
いいえその計算では買えません

金額はすべて税別。12か月=年払いの契約期間かつ途中解約の返金が原則ない期間。公式で確認できた返金枠は、monday.com が初回購入から30日以内(月額の更新分は対象外)、Semrush が初回の年間契約から7日以内(月払いは対象外)、Squarespace が年払いの購入から14日以内(月払いは返金なし)、Shopify は利用規約第5条に「Shopify does not provide refunds.(日本語訳:Shopifyは返金を行いません)」、HubSpot は「all amounts paid are non-refundable(日本語訳:支払われた金額はすべて返金不可)」、Asana も「non-cancelable and non-refundable(日本語訳:解約不可・返金不可)」。24か月=2年目以降の値上げ幅が6社とも公式に確認できず、それより先の費用を確定できない範囲。出典(2026年8月確認):各社公式の返金ポリシーと利用規約(末尾の出典節)

Q1の4つは効果側を埋めず、回収期間の欄は空欄にします。無理に埋めると、要件を落とす方向に議論が動きます。年払いは途中でやめても原則返らないので、契約したら最低12か月は払い続けます。6か月を線にするのは、効果が半分に外れても12か月で回収でき、初回更新までに黒字になるからです。

迷ったら、増収をゼロにして計算します

増える売上は最も外れる数字です。増収ゼロでも線を越えるなら、その案件は買って構いません。記入例では、増収ゼロなら月11.9時間で6か月以内、月7.2時間で12か月以内、月4.8時間で24か月以内、月2.45時間以下では回収できません。 自社の数字は (初期支出 ÷ 目標の月数 + 毎月の支出) ÷ 人件費単価 で出せます。

6〜12か月で月払いにする差額(月¥2,400対年払¥840)は、判断を先延ばしする料金です。12〜24か月では効果側を上げず、費用側を組み直します。記入例なら、配信対象を1,000件以内に絞れば4番の¥270,000が消え、費用は¥151,200です。24か月超で買えないのは、値上げ幅が6社とも公式に確認できず、先の費用を確定できないからです。迷うなら4番だけ先に埋めてください。

出せない欄に0円と書かないでください。0円は「調べた結果ゼロだった」、空欄は「調べたが分からなかった」です。空欄になりやすい値上げ幅と割引の継続は、契約前に書面でもらってください。

削減時間を、実際にその作業をしている人に確認せずに書く人には向きません。 決裁者の推定は導入後に検証されず、次の稟議でも同じ推定が使われます。

出典(2026年8月確認)

金額は税別で計算していますが、HubSpot の日本語料金ページに税込・税別の表示は確認できませんでした(米国の利用規約に「All fees are exclusive of taxes(日本語訳:すべての料金は税抜です)」)。席の最低数と購入単位、Starter に必須の導入支援費用、超過分の円建て価格、割引の適用期間と更新後の価格は、公式ページで記載を確認できませんでした。条件は変更されるため、契約前に各公式ページでご確認ください。

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