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解約したら、データは取り出せますか
解約後にデータが何日残るかを公式に約束しているのは、5社のうち Shopify(2年)と HubSpot(対象プランのみ30日)の2社だけでした。monday.com の「7日」は保持の約束ではなく、閉鎖後にトライアル扱いになる期間です。Asana は解約では消えず無料プランに降格、Squarespace は日数の記載がありません。
取り出すのは契約中です。掲載6サービスのうち Semrush は別稿にします。
先に5つの言葉を決めておきます
エクスポート=入れたデータをファイルにして手元に落とすこと。CSV=Excelで開ける表形式のテキスト。レコード=CRMの1行(顧客1件・案件1件)。ボード/アイテム=monday.com の表と、その1行。猶予期間=解約後もデータが残る期間。
操作も4つに分けます。①解約=支払いをやめる。②アカウント削除=丸ごと消す。③データ消去請求=個人情報を消してもらう。④再開=止めたものを戻す。日数が効くのは①のあとです。
日数が書いてあるのは、5社中2社だけです
| サービス | 解約するとどうなるか | 公式に書かれた日数 | この行の読み方 |
|---|---|---|---|
| monday.com | アカウント閉鎖後は7日間だけ無料トライアル扱い。その後「非アクティブ」になり、本人もチームもサインインできない。有料から無料プラン(2席・3ボード・200アイテム・500MB)へ落とす場合はデータがアカウントに残り、上限超過分も閲覧のみのモードで見られる(新規追加は不可、プライベート/シェアラブルボードは事前にメインボードへ変換しないと利用不可の表示になる) | 7日。以降は「デフォルトで全データを利用可能にしておく方針」としつつ「無期限に続ける保証はなく、非アクティブなアカウントのデータをいつでも削除する権利を留保する」 | 7日は移行の猶予ではなく、締め出されるまでの時間。完全削除後は取り消せない |
| Asana | 有料プランの解約=無料プラン(Asana Personal)への降格。データは残り、失うのは高度なチーム・プロジェクト権限、カスタムフィールド、タイムラインビュー、タスクの依存関係 | 解約は請求期間の末日に有効。保持期間の日数はなし。アカウント削除は30日以内、組織・ワークスペースは90日以内、全データの消去は180日以内 | 日数が出てくるのは「削除したとき」だけ。解約しただけでは消えない |
| HubSpot | 解約日以降は無料ツールに降格。中途解約はできず、更新日に解約が成立する | Marketing Hub Professional / Enterprise(Marketing Contacts)のみ、解約から30日以内の書面請求でデータ取得手段を提供。30日経過後は保持・提供の義務なし | 5社で唯一、契約書レベルで日数がある。ただし対象は狭く、30日は請求の期限 |
| Shopify | ストアを停止(deactivate)。2年以内なら再開できる | 2年。別途、個人情報の消去を請求すると、請求が完了してから14日以内に消去。14日が過ぎる前ならサポート連絡で中止できる | 唯一、猶予が年単位。ただし消去を頼むと14日で不可逆になり、ストアも再開できない |
| Squarespace | サイトは「Website expired」表示になり、ダッシュボードからいつでも再開できる | 記載を確認できませんでした。サイト削除の場合は「回復できない」(手動削除なら問い合わせ次第で復旧の可能性ありと記載) | 期限が書かれていない=無期限に残る、ではありません。書かれていない=約束されていない |
HubSpot は用途別の「Hub」と Starter / Professional / Enterprise の「グレード」の掛け算で契約します。30日条項(3.3.3)が効くのは Marketing Hub Professional か Enterprise の Marketing Contacts 版だけ。契約は設定の「サブスクリプション」画面で見られます。この30日は書面請求の期限で、作業期間ではありません。
規約1.3は対象を限定します。「HubSpot Smart CRM および無料サービスについては、サブスクリプション期間の解約または満了の後、当社はお客様データへのいかなるアクセスも提供しません」(原文:for the HubSpot Smart CRM and Free Services, we will not provide you with any access to Customer Data after termination or expiration of your Subscription Term.)。公式の記載はここまでです。ここから先は編集部の判断です。Sales Hub や Service Hub は30日条項の対象でも1.3の対象でもなく、約束が何もない状態のはずです。
無料プランのある3社(monday.com・Asana・HubSpot)は、解約=閉鎖ではなく無料への降格を選べます。Shopify・Squarespace にその選択肢はなく、「Pause and Build」も公式は「減額された月額」とのみ記載、金額は確認できませんでした。
取りこぼすのは「本文以外」です
| サービス | 契約中の書き出し | 添付・画像 | 書き出せない/移せないもの | この行の読み方 |
|---|---|---|---|---|
| monday.com | 管理者がアカウント全体をzipで一括。ボード単位はExcel | 全体エクスポートに含まれる(速度優先で除外も選べる) | アーカイブ済みボードとworkdoc(monday.com内で書けるドキュメント)、Emails & Activities(メール履歴)のタイムライン。Excel書き出しはテーブルビューのみで、並べ替え・条件付き色分け・サブアイテムの更新は落ちる | Excelは画面の表を写すだけ。やりとりの経緯を残したいなら全体zipで取る |
| Asana | プロジェクト単位でCSVまたはJSON。全体一括は記載を確認できませんでした | 記載を確認できませんでした | 記載を確認できませんでした | 落ちるものの一覧が公式にない唯一の1社。自分で試して確かめるしかない |
| HubSpot | レコードはCSV/XLSX/XLS、ページ・ブログはHTML、Files、HubDB(HubSpot内の簡易データベース) | Filesツールでフォルダーごとチェックし「Export (ZIP)」で一括(Super Admin権限が必要。完了後にメールと通知センターでリンクが届く) | ワークフロー(自動処理の設定)の実績データ・履歴、ワークフロー内で使ったメールのデータ | 書き出しの入口が4か所に分かれている。ボタン1つで終わると思って解約日を決めると足りない |
| Shopify | 商品・顧客・注文・ギフトカードコード・割引コード・財務データをCSV。テーマは管理画面から | 商品画像はCSVに入らない(CSVにはURLだけ) | 移せない:発行済みギフトカード、割引コード、保存したカスタムレポート、訪問者トラフィックデータ。注文は管理画面から取り込めない | 「書き出せない」ではなく「移せない」。乗り換え先で再発行・再取り込みが要る |
| Squarespace | サイト本文は.xml(WordPress向け)1形式のみ。商品と連絡先は.csv | 一括不可。アセットライブラリから1枚ずつ | ギャラリー以外の各種ページ形式、2つ目以降のブログ、ページ固有のヘッダー/フッター/サイドバー、ドロップダウン、音声・商品・動画ブロック、下書き、スタイル設定とカスタムCSS | .xmlで出るのは通常ページとブログ1つ分の文章だけ。持ち出せるのは「原稿」であって「サイト」ではない |
添付・画像を一括で取り出せるのは monday.com(全体のzip)と HubSpot(FilesツールのZIP)の2社だけです。Squarespace は1枚ずつで、写真100枚なら100操作です。
書き出せることと、乗り換え先に入れられることは別です。Shopify の「移行できない」(原文:can't be transferred)は、割引コードやギフトカードをCSVに出せても新しいストアに取り込めない、という意味です。
契約する日と、解約を決めた日
日数はいずれも各社公式ヘルプ・規約の記載(2026年8月確認)。monday.com の7日はアカウント閉鎖後にトライアル扱いとなる期間で、データ保持を保証する期間ではありません
契約する日に決めておくこと。画像・動画・添付の原本はSaaSの外にも置き、稟議書に「解約後◯日以内に管理者が全体エクスポートを実行し社内ストレージへ保管」の1行を入れます。書き出せないものの一覧を載せているのは4社で、Asana だけ見当たりません。テスト用プロジェクトを書き出して確かめてください。
解約を決めた日は、この順番です。①課金を止める前に書き出しを終わらせる。monday.com は閉鎖7日でサインイン不可、HubSpot は無料ツールに落ちます。②monday.com の全体エクスポートは最大24時間かかり、実行は24時間に1回。7日=168時間なので168÷24で最大7回試せますが、当日の思いつきでは終わりません。③HubSpot は書き出しの入口が4か所に分かれ、レコードは同時3件まで。半日は見ておきます。④落としたファイルを開いて中身を確かめてから解約する。
この5社を、こういう人は選ばないでください
次の人には勧めません。
monday.com は、アーカイブしたボードやworkdoc、メール履歴を記録に残したい人(全体エクスポートの対象外)。Asana は、プロジェクトが数十以上になる人(1件ずつで、50なら50回)。HubSpot は、Marketing Hub Professional 未満で解約後もデータに触れたい人。Shopify は、1〜2か月でやめるかもしれない人(無料プランはなく無料トライアルのみ)。Squarespace は、写真が主役のサイトを作る人。
出典(すべて2026年8月確認)
- monday.com 7日/非アクティブ/削除の権利/完全削除は不可 → How to cancel and close your account
- monday.com 全体エクスポート(最大24時間・24時間に1回・zip・ファイル除外・アーカイブ/workdoc/Emails & Activities 非対応) → How to export your entire account's data
- monday.com Excel書き出しの非対応(テーブルビューのみ・並べ替え・条件付き色分け・サブアイテムの更新) → Export from monday to Excel
- monday.com 無料プラン 2席/3ボード/200アイテム/500MB・閲覧のみモード・プライベートボードの扱い → Understanding the Free Plan
- Asana 無料プランへの降格・失う機能・請求期間末日 → Modify your Asana plan
- Asana アカウント削除30日/組織・ワークスペース90日/全データ消去180日 → Delete your Asana account
- Asana プロジェクト単位のCSV/JSON書き出し → Project importing and exporting
- HubSpot 30日条項(3.3.3)/Smart CRM・無料サービスの1.3 → Product Specific Terms
- HubSpot レコード書き出しの形式・同時3件まで → Export records
- HubSpot ページ/ブログのHTML・Files・HubDB・ワークフローの非対応 → Export your content and data
- HubSpot 添付のZIP一括書き出し(Super Admin権限・メール/通知センター) → Organize your files with folders
- HubSpot 中途解約不可・更新日に成立・無料ツールへの降格・削除の制限 → How do I cancel my HubSpot account?
- Shopify 2年(停止と再開) → Deactivate or reactivate your store
- Shopify 14日(個人情報の消去・中止の連絡期限) → Delete store data
- Shopify CSVで書き出せるもの/can't be transferred/注文は管理画面から取り込めない → Duplicate your store
- Shopify 商品画像はCSVに含まれない → Export products
- Shopify Pause and Build(減額された月額。金額の記載なし) → Billing considerations when pausing or deactivating
- Squarespace 解約後は「Website expired」・いつでも再開 → Cancel your website subscription
- Squarespace サイト削除は回復できない・手動削除は問い合わせ次第 → Delete your site and its content
- Squarespace .xmlで書き出せないものの一覧 → Exporting your site
- Squarespace 画像の一括書き出し不可・動画不可・商品/連絡先の.csv → Importing and exporting content
保持期間や仕様は変更されます。解約を実行する前に、必ず各公式ページで最新の記載をご確認ください。