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自動化の実行回数、足りますか
結論を先に書きます。4社のうち、月間の実行回数を数えて止めるのは monday.com だけでした。Asana は無制限と公表し、HubSpot は自動化の本数とAPIの1日あたり呼び出し回数、Shopify は1秒あたりの処理量を数えています。ただし monday.com も2026年8月10日から、AIワークフロービルダーで公開できる本数(Standard 3・Pro 20・Enterprise 250)を制限しました。
どこに上限が置かれているか
用語を先に。オートメーションは「ステータスが完了になったら担当者に通知する」のように条件と処理を登録して自動で動かす仕組みです。monday.com はこれを2つに分けて数えます。アカウント内で完結する処理が「自動化」、Slack投稿やGmail送信のように外部をまたぐ処理が「連携」で、枠は別勘定です。
| 月間実行回数の上限 | 代わりに数えているもの | この数字の読み方 | |
|---|---|---|---|
| monday.com Standard | 自動化250回/連携250回(別枠) | AIワークフロー3本 | 1日8回で限界。試すための枠と考えたほうがよさそう |
| monday.com Pro | 各25,000回 | AIワークフロー20本 | 1日833回。中小企業の実務ラインはここ |
| monday.com Enterprise | 各250,000回 | AIワークフロー250本 | 1日8,333回 |
| Asana Starter以上 | 無制限(公式明記) | AI Studioクレジット(月5万〜20万)/1プロジェクト50ルール | 回数は気にしなくてよい。AIを使う自動化だけ別枠 |
| HubSpot Professional | 記載を確認できず | ワークフロー300本/API 62.5万回/日 | 「何回動かすか」でなく「何本作るか」で詰まる |
| HubSpot Enterprise | 記載を確認できず | ワークフロー1,000本/API 100万回/日 | 同上 |
| Shopify Basic以上 | 記載を確認できず | ワークフロー1,000本/APIレート | 回数でなく「同時に押し寄せる量」で詰まる |
単位は1課金期間(月)あたりのアクション数、金額は米ドル・税別。出典は記事末尾(2026年8月確認)。
見てほしいのは右の2列です。「上限の記載がない=無制限」ではありません。HubSpot と Shopify は回数を数えていないだけで、別の場所に天井があります。
monday.com の「1アクション」は「1回の実行」ではありません
ここが一番誤解されます。monday.com の公式ヘルプは、実行1回で複数のアクションを消費する条件を明記しています。
項目の作成でも同じです。列をマッピングすると「それぞれが1アクションとして数えられ、さらに項目の作成に1アクションが使われる」とあり、ステータス・担当者・ドロップダウンの3列を設定して項目を作る自動化は1回で4アクション。Gmail・Outlook連携についても「複数のアクションを使う」とだけ書かれています。
公式が挙げている例は4アクションと6アクションです。月250アクションの枠をこの例に当てはめると、月42〜62件分の処理にあたります(250÷6=41.6、250÷4=62.5)。問い合わせを担当3人に通知する自動化を1日15件受ける会社なら 15×3×30=1,350 で、Standard の250は初週で尽きます。
1日何回動かすと、どのプランが必要になるか
月間消費アクション数 = 1日の実行回数 × 1回あたりのアクション数 × 30日。1回=1アクションの最も軽いケースなら 250÷30=8.33 で Standard は1日8回まで(9回で270となり超過)。Pro は 25,000÷30=833.3 で1日833回まで(834回で25,020と超過)です。
1日の実行回数と月間消費アクション数(30日換算・monday.com 自動化枠)
Standard上限250。1アクションなら8回/日、4アクションなら2回/日、6アクションなら1回/日で限界 縦軸は対数目盛、単位は1課金期間(月)あたりのアクション数 出典:monday.com「Automations and integrations pricing」(上限)/「Automation and Integration actions」(1回あたりのアクション数)
6アクション型では 250÷6÷30=1.39 なので、Standard は1日1回しか回せません(1×6×30=180、2回なら360で超過)。Pro でも 25,000÷6÷30=138.9 で1日138回が上限です。
契約時に出ていく金額で言うと、Standard 5席・年払は $12×5×12=年$720、Pro 5席・年払は $19×5×12=年$1,140。差は年$420です。自動化を業務の柱にするなら、この$420でプランを迷う意味はありません。
上限に達すると、何が起きますか
monday.com には猶予があります。
順番に注意してください。新しいオートメーションの追加と編集がブロックされるのは100%に達した時点で、実行が止まるのはその72時間後です。枠が尽きたと気づいた瞬間には、消費を減らすための設定変更ができなくなっています。 止まったあとは、次の課金サイクルまで戻りません。
Asana は AI Studio のクレジットを使い切ると「AI Studioのルールが実行を停止し、作成者にメール通知が届く」と明記しています。止まるのはAIを含むルールだけです。HubSpot はAPI上限を超えると、以降のすべてのAPI呼び出しに429エラー(上限超過で受け付けないという応答)を返します。Shopify Flow は止めずに遅らせる方式です。
復旧までの長さが最も効く違いです。HubSpot の上限は1日単位なので日付が変われば戻りますが、monday.com は次の課金サイクルまで戻りません。 同じ「上限に達した」でも、数時間か1か月かの差があります。
消費量は、契約後に見えますか
消費量を自動化の実行単位で追えるのは monday.com だけでした。Autopilot Hub の「Usage」タブ、または管理エリアの「Usage Stats」で、進捗バー、期末までの消費見込み、消費の多いボード・作成者・オートメーション別の内訳が見られます。HubSpot は非公開アプリごとのAPIログ、Asana は管理コンソールでAIクレジットを確認できますが、どちらも「自動化が何回動いたか」のメーターではありません。Shopify は実行履歴を14日間保存するだけです。
回数で止まらない3社は、消費量も見えません。 見積もりの立て方と、回数以外の天井(HubSpotの本数、Asanaのルール数、Shopifyの1秒あたりのレート)は、別記事「契約前に、自動化は月に何回動くと見積もれますか」で扱っています。
使うべきでない読者像
monday.com Standard は、通知を複数人に飛ばす運用に向きません。月250回は、6人チームへの通知型なら1日1回分です。
Shopify Basic は、外部サービスと自動連携したい店に向きません。Flow の「HTTPリクエストを送信」が Grow 以上に限定されています。
HubSpot Professional は、ワークフローを部門別・商品別に細かく分ける運用に向きません。実行回数ではなく300本という本数で詰まります。
Asana は、自動化の消費量を毎月把握したい会社に向きません。通常のルールが無制限なぶん消費メーターが存在せず、把握できるのは AI Studio のクレジットだけです。
迷ったら
HubSpot・Shopify はこの2社の代わりではなく、併用時の天井として別に確認する 金額は米ドル・税別、回数は1課金期間(月)あたり(2026年8月確認)
1日の自動化が5回未満なら、この記事の心配は不要です。 6アクション型でも月900、4アクション型でも月600。monday.com Standard(250)だけは届きませんが、残りはどれも余裕があります。
monday.com と Asana で迷うなら、回数だけを見れば Asana です。 monday.com を選ぶ理由は、消費量がボード別・作成者別に見えること。どの自動化が枠を食っているかを毎月潰す運用をするなら、見えるほうが強い。
HubSpot と Shopify は、この2社の代わりにはなりません。 CRMとECの土台なので、「併用したときの天井」として読んでください。
出典(2026年8月確認)
- monday.com:Automations and integrations pricing(Standard 自動化250/連携250、Pro 各25,000、Enterprise 各250,000、枠は別勘定、超過時は上位プランへ)/Automation and Integration actions(1アクションの定義、列マッピング、購読者6人=6アクション、72時間の猶予、100%到達時の編集ブロック、月内停止)/料金ページ(Free・Basicに自動化/連携なし、$12/$19)/Tracking Account automation, integration, and workflow usage(Usageタブ、進捗バー、消費見込み)/The AI workflow builder(2026年8月10日以降、有効ワークフローは Standard 3/Pro 20/Enterprise 250、ワークフローのアクションは自動化枠に加算)
- Asana:料金ページ(Unlimited rules、AI Studioクレジット Starter 5万/Advanced 7.5万/Enterprise・Enterprise+ 20万、$10.99/$24.99)/Asana subscriptions & pricing(「Unlimited automation actions」)/AI Studio admin(クレジット枯渇時の停止、管理コンソールでの使用状況表示)/Asana AI requests and usage allocation(使用パック購入・従量課金・超過上限$0)
- HubSpot:Workflows FAQ(Professional 300本/Enterprise 1,000本、Data Hub 400/1,100)/API usage details(1日62.5万/100万回、アドオンで+100万回・最大2回、429エラー、非公開アプリのログ)
- Shopify:Shopify Flow(Basic・Grow・Advanced・Plusで無料、HTTPリクエスト送信はGrow以上)/Flowの使用上限(ワークフロー1,000本)/ワークフロー実行の監視(履歴14日保存、rate limited)/APIレート上限(Standard 100/Advanced 200/Plus 1,000ポイント毎秒)
金額はすべて米ドル・税別、回数は1課金期間(月)あたりです。Asana・HubSpot・Shopify の「自動化の月間実行回数の上限」、monday.com の追加アクション購入価格、HubSpot の API Limit Increase アドオン価格、Asana のAI使用パック単価と1実行あたりのクレジット消費量、monday.com で日付列がアクションとして加算されるかどうかは、いずれも公式ページで記載を確認できませんでした。提供条件は変更されるため、契約前に各公式ページでご確認ください。