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応答時間の保証は、いくらで買えますか

2026.08.17 確認 ・ SaaS COMPASS

結論を先に書きます。5社のうち、応答時間を数字で契約文書に書いているのは monday.com と Asana の2社だけで、どちらも Enterprise 以上の限定です。そして両社とも、その Enterprise の価格を公開していません。応答保証は、見積もりを取らないと値段が分からない商品です。

もうひとつ、SLAという言葉の中身が誤解されています。SLAは「速く直る保証」ではなく「遅れたら月額が少し戻る取り決め」です。ここを取り違えて上位プランを選ぶと、期待が外れます。

数字が書いてあるのは、どこまでですか

応答時間の保証適用範囲守られなかったときの救済この欄の読み方
monday.comCritical 30分以内/High 1時間以内/Medium・Low 24時間以内。稼働率は月次99.9%Enterprise のみ稼働率を割ると月額の5〜30%がクレジット。自動では返らず、90日以内の自己申請が必要5社中もっとも具体的。ただし返るのは月額の一部で、消えた売上ではない
Asanaヘルプセンター経由の問い合わせに受領後2営業時間以内(原文:within two (2) business hours)。24時間365日・英語Enterprise・Enterprise+ のみ。米国・アイルランド・豪州の祝日は除く記載を確認できませんでした数字は明確だが、破られたときの扱いが書かれていない
HubSpot保証ではなく目安。メールは1営業日以内Starter以上なし(目安のため)守られなくても契約違反にならない
Semrush「Enterprise SLA」の記載のみ。数値は確認できずEnterprise記載を確認できませんでしたサポート規約にも応答時間の条項自体がない
Shopifyメールは通常48時間。それ以外の数値は確認できずメールは Plus・Retail のみ記載を確認できませんでした標準プランはチャットのみで、時間の記載がない

2026年8月時点・各社公式ページで確認。出典は記事末尾。SLAは、応答時間や稼働率を契約で約束する文書のことです。

読み方は救済の列です。数字が書いてあることと、守られなかったときに何かが起きることは別です。 monday.com だけが救済の中身まで書いていますが、それも「90日以内に自分で申請すれば月額の5〜30%が戻る」という内容で、止まっている間に消えた売上は戻りません。

なお、ここでいう24時間はいずれも英語圏の運営を前提とした表記です。日本語で、日本時間の深夜に人が出るかどうかは別の問題で、5社とも日本語サポートの提供時間を公式に確認できませんでした。

専任担当者が付くと、何が変わりますか

公式に「専任」と書いてあるのは2社です。monday.com Enterprise の専任カスタマーサクセスマネージャー(原文:dedicated customer success manager。導入と活用を継続的に見る担当者です)と、Semrush Enterprise の専任アカウントマネージャー(原文:Dedicated account manager)。ただし monday.com の Enterprise ページには「サービスによっては追加費用が発生する場合があります(原文:Services may require additional costs)」との但し書きがあり、費用と提供範囲は契約内容で変わります。

Asana は Enterprise 以上に「Customer Success options」の記載がありますが、適用条件つきで「専任」という語は使われていません。HubSpot はプランに紐づく専任担当者の記載を確認できませんでした。両社ともオンボーディング(導入時の初期設定と操作研修。多くの会社で月額とは別の一時金です)は別料金です。

そして専任担当者は障害時の窓口ではなく、活用促進の担当者です。 深夜に止まったとき最初に出るのは通常のサポート窓口なので、「専任が付く=復旧が速い」ではありません。

上位プランへ行くと、いくら出ていきますか

上げる理由現在地行き先差額
電話窓口が欲しい(Shopify)Basic 月$29Plus 月$2,300〜月$2,271/年$27,252。中間のGrow $79・Advanced $299に電話は付きません
電話窓口が欲しい(HubSpot)StarterProfessional月額差に加え、契約初月に一時金のオンボーディング費用 $3,000(Enterpriseは$7,000)
応答保証が欲しい(monday.com・Asana)中位プランEnterprise以上公開価格なし。営業と話すまで金額が分かりません

金額は米ドル・税別、2026年8月時点の公式料金ページより。

Shopify で考えると分かりやすくなります。「電話が使えないと困る場面が年に2回ある」として、その2回に年$27,252 を払う判断になります。1回あたり約$13,600。 この額で外部のEC専門業者を年間契約したほうが安く済むかどうかが、実際の分岐点です。

保証を買うべきでない読者像

応答保証がほしいが、Enterprise の見積もりを取る気がない人。 応答時間が文書化されているのは両社とも Enterprise 限定で、価格は非公開です。見積もりを取らない限り、この記事の結論は使えません。

SLAを「速く直る保証」だと思っている人。 返るのは月額の一部で、しかも monday.com は90日以内の自己申請が条件です。復旧の速さを買っているわけではありません。

社内にログを見て一次切り分けができる人がいる会社。 応答保証より、自己解決の速さと教材の質のほうが効きます。差額を外部の運用パートナーに回すほうが現実的です。

深夜に日本語で人に出てほしい人。 24時間の記載はいずれも英語圏前提で、5社とも日本語サポートの提供時間を公式に確認できませんでした。

迷ったら

Q1: サービスが止まると1日あたりいくら売上が消えますか
10万円以上Q2へ
数万円以下・翌営業日で足りる応答保証は不要。現行プランのまま
Q2: 社内に、ログを見て一次切り分けができる人がいますか
いる応答保証より自己解決の速さが効く。差額を外部パートナーに回す
いないQ3へ
Q3: 検討中の製品は monday.com か Asana ですか
はいEnterprise以上の見積もりを取る。応答時間が文書にあるのはここだけ
いいえ営業に「応答時間を書面で」と要求する。出せないなら、それが答えです

出典:各社公式ページ(2026年8月確認)

応答時間の数字を先に見ないでください。 先に計算するのは「自社が止まったとき、1日いくら消えるか」です。その額が上位プランの年間差額を下回るなら、サポートは選定理由になりません。5社中3社が応答時間を公開していない以上、「上位プラン=速い」は検証できない仮説のままです。

窓口そのものがどのプランで開くのか(無料プランに人間の窓口がない会社、座席の条件)は、別記事「困ったとき、誰が助けてくれますか」で扱っています。

出典(すべて2026年8月確認)

金額は米ドル・税別です。Semrush の応答時間の数値、Shopify のメール以外の応答時間、Asana と Semrush と Shopify の応答保証が守られなかった場合の救済措置、monday.com・Asana の Enterprise 価格、5社の日本語サポート提供時間は、公式ページで記載を確認できませんでした。提供条件は変更されるため、契約前に各公式ページでご確認ください。

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